遺留分侵害額請求とは
 
遺留分侵害額請求(いりゅうぶんしんがいがくせいきゅう)は、遺言や贈与などで遺留分を侵害された相続人が、その侵害分を請求する手続きのことです。具体的には、相続人が遺言や生前贈与などによって、法定相続分の最低限の取り分(遺留分)を減らされた場合、その侵害された遺留分に相当する額を請求することができます。
 
2019年6月30日までは、「遺留分減殺請求」といわれており、侵害対象の遺産そのものを取り戻す権利とされていました。
しかし、土地や建物などの不動産は分割が難しくトラブルが生じやすかったこともあり、2019年7月以降は「遺留分侵害額」として金銭で清算するよう民法が改正されました。
 
遺留分侵害額請求は、その請求をされた相手側にとっても、自分が侵害していることの確認や金銭の準備に大きな負担を背負うことになります。また、請求された相手が遺留分侵害額請求に応じなければ調停や訴訟に発展する可能性もあります。
調停に発展した場合、双方ともに手間や時間、精神的な負担がかかることを考慮すると、あらかじめ遺留分を侵さない対策をしておくことが大切です。
そして何よりも、生前から遺産の承継について家族で話し合っておくことが一番大切なことです。
 
遺留分侵害額請求権は、相続開始及び遺留分を侵害する贈与または遺贈があったことを知ったときから1年、相続開始から10年で時効によって消滅します。(民1048条)